12月にお仕事をさせて頂いた屋敷門の解体工事。
その解体中に立派な鬼瓦が見つかりました。
鬼瓦に込めた想い~職人の心意気
今回ご縁あって築100年以上のお宅を工事させて頂きました。
屋敷門を解体して母屋と切り離し補修する為、解体前に必要な瓦を外してほしいと瓦屋さんにお願いしました。
その瓦屋さんが紋入りの鬼瓦があるのに気づき、二つとも丁寧に外してくれたのです。
見ると「杢」と書かれた紋が入っています。
何の意味だろうと90歳になるお施主様にうかがうと
「きっと先代の杢次郎さんの杢だろう」との事でした。
裕福だった杢次郎さんは家を新しく建てるにあたり、特注で瓦屋さんに焼いてもらったのでしょう。
時は流れおそらく戦後、瓦の葺き替え時期がきたのでしょう、今はセメント和瓦が葺かれています。
この時葺き替えた職人さんは新しい鬼瓦を使うのではなく
この「杢」の紋の入った瓦を再利用したので、現在まで残る事ができた訳です。
家族の歴史と共に家を守ってきた鬼瓦
「杢」の紋の入った鬼瓦を大切な物として残した、職人の心意気を感じます。
一つは改装した建物の屋根に、もう一つは園庭の中に置かれています。
黒谷 尚輝