家づくりで一番心配になるのは資金計画ではないでしょうか。
家を建てるのにいくら必要なのか、自己資金はいくら必要なのか?
住宅ローンはいくら借りられるか、いくら支払うようになるのか?

現実的な問題は、お金の事です。
家を建てるのにどのくらいの予算が掛けられるかどうか、細かい資金計画は後でも大丈夫ですが、リアルな予算の目安を実際に考えてみるのが重要になってきます。

住宅会社のホームページやチラシの家の価格が〇〇万円と書かれています。
しかし、それはほとんどのケースで建物本体価格の事で、この金額だけで家が建つというわけではありません。

また、家の大きさと仕様によって金額が大きく変わります。
あなたが家の大きさを重視しているのか?
それとも、仕様や住み心地を重視しているのか?
家を建てる前に把握しておくと予算にメリハリがつきます。

それと建築をする場所によっても、上下水道などの費用が大きく変わります。

1,かかる総額を試算してみましょう

土地探しからの場合、土地+土地取得にかかる諸費用が必要で、総額予算の中からどれくらい使えるかと、捉える事がポイントとなるでしょう。
また、建て替えの方は解体費用が必要となります。

土地が決まれば、
・建物本体価格
・屋外給排水費用(その場所が公共下水なのか、個別浄化槽なのかで決まる)
・地盤調査費用(地耐力が不足していれば、地盤改良工事が必要)
・外構工事費用(庭の工事)
・設計費、現場管理費
・現場経費

その他の諸費用として、
・住宅ローン手数料、生命共済、協会保証料
・火災保険料
・登記費用(土地建物表示、保存、抵当権設定登記)
・上下水道引き込み費用、負担金
・カーテン、エアコン、家具、家電
・引っ越し費用、地鎮祭、上棟お祝い費用

などが必要です。

2,予算をどれ位かけられるのか?

家づくりに必要な大まかな総額がわかれば、次にどの位かけられるのか検討し
てみましょう。

自己資金住宅ローンです。

自己資金が多ければ、ローンを組む金額が減り、支払いが楽になります。
しかし、手持ちのお金を全て自己資金に充ててしまうと、生活する上で何かしらのまとまった出費が必要となった場合には対応できません。
そうならないためにも残しておく必要があると思います。
自己資金はいくら位必要なのかお話しする前に、まず住宅ローンで建築費用の全てをまかなえない事を知っておいてください。

住宅ローンは担保になるものがあってこその融資なので、土地と建物が融資対象です。
ローンの諸費用や家具、家電、引っ越し費用などは、融資の対象外となってしまいます。
そのため、自己資金はある程度必要になってきます。

自己資金を抑えるためには民間融資の銀行であれば、

・火災保険料を、借入期間一括支払いを年払いで良い
・保証料を金利上乗せしても良い
・団体信用生命保険は銀行負担にする

という自己資金負担を軽減する住宅ローン商品があります。

3.住宅ローンの種類

住宅ローンの種類は大きく分けて二つあり、一つは銀行などの金融機関が融資する「民間融資」と住宅金融支援機構による「フラット35」に分かれます。

金融機関の住宅ローンのメリットとしては、事務手数料が安かったり、住宅ローンの手続きが楽で審査が早いことが多く、将来他の住宅ローンに借り換えることも難しくありません。
また、銀行などのいろんな金融機関が様々な住宅ローンを用意していますので、固定金利や変動金利など、ライフプランに合わせた住宅ローン商品を選ぶことが可能になります。

一方、金融機関の住宅ローンのデメリットとしては、様々な住宅ローン商品が用意されているため、どの住宅ローンを選んだらいいのか、判断が難しいことが挙げられます。
あなたにあった金融機関の住宅ローンを選ぶには、金利だけにとらわれず、幾つかの住宅ローンを比較検討する必要があるのです。

次に、住宅金融支援機構のフラット35のメリットは、固定金利で金利が変わらないため、生涯に渡って返済計画が立てやすい事と、また繰上げ返済がしやすいことが挙げられます。
そのため、固定金利で住宅ローンを組みたいという方は、フラット35を選ばれる方が多いです。
また、住宅の性能をあげることで金利を低くすることもできるので、高性能な住宅を建てる方にとってもフラット35は相性の良い住宅ローンだと言えます。

一方、フラット35のデメリットとして、フラット35の基準に適用しているのか審査が必要なため、時間と費用がかかってしまうことと、土地のみの取得に対しては利用できないことが挙げられるでしょう。

このようなことを踏まえながら、固定金利、変動金利どちらがあなたにあっているのかで住宅ローンを選んでいきます。
例として、35 年返済にとらわれず、もっと短い期間で返済を終わらせたいと考えている方は、民間融資の変動金利が、一番金利が低いのでこれを選ぶべきでしょう。

4,いくら借りられるか?

お金を貸してくれるのは金融機関です。金融機関の視点から見た目でお話しします。

➀ 返済能力がどのくらいかを審査します。
年収に対しての返済可能額として返済率があり、収入の多い方と少ない方で変わってきます。
そして、また各金融機関によっても返済率の基準が違ってきます。

(自分の年収 × 返済率 ÷ 12 ヶ月 ) – 現在支払い中のローン月払い額 = 返済能力 … A
借入希望額 ・ 金利(固定、変動、各商品)・ 借入年数 = 月々の返済額 … B

A が B よりも多ければ融資 OK ということになります。

返済率を年収400万円以上35%以下、年収400万円以下30%以下と設定しているとして、一例をあげると

(400万円 × 35% ÷ 12ヶ月 ) – 2 万円 = 96,600 円 … A
3000万円 ・ 金利 1.0% ・ 35 年支払い = 84,600 円 … B

A が B よりも多いので、この場合は借入可能となります。

➁もう一つは信用です。
今までの金融機関との対応や勤続年数などを調査します。
あなたが、住宅ローンを組む時に一番考えて欲しいことがあります。

それは、「いくら借りられる」より「いくら支払えるのか」を考えるということです。

無理な返済プランを立てて、生活が苦しくなってしまえば大変な事です。
将来の返済プランをきっちり立てた上で、住宅ローンを組んでください。