家を建てる時の打ち合わせですが、「家の間取り」「仕様」が決まれば見積もりをしてもらい、納得のいく金額であれば契約となります。
ここでは、この2つについて説明していきます。

◇家の間取り

この「間取り」を決めることが一番大変なことであり、一番大切なことになってきます。
住む上での住環境を左右するからです。

住宅会社に初めて行った時、いきなり詳しい間取りの話になるということは稀で、まずはどんな家を建てたいとか、予算はいくらぐらいなどと、大まかな話になることが一般的です。

そして、その後いよいよ家の間取りの打ち合わせに入っていきます。

間取りの打ち合わせは、あなたの希望をお聞きして、住宅会社が図面を作成し、これを基に打ち合わせを重ねて、間取りが最終決定する。これが基本的な流れになります。

例えば、営業マンがあなたの希望をお聞きして、設計士に伝えて間取りを創るとします。あなたの思い描く、家の細かなニュアンスまで設計士に伝わるでしょうか?

やはり、間取りを創る人が、あなたと面談して、間取りの希望だけでなく、家族構成や今までの暮らし方、趣味に至るまでお話しすることで、あなたの思い描く家を提案できると思います。

そして、同じ設計士でも提案をしてくれる設計士と、あなたが言ったことしかしてくれない設計士では、かなり違いが出てきてしまいます。全てイエスマンではまとまりのない、ちぐはぐな家になってしまいます。

プロとしての提案が有るか無いかで大きく変わってしまいます。

間取りの気になる点は、その問題を解決するための提案や、変更した場合のメリット・デメリットを説明してもらいましょう。検討と打合せを重ねて、納得出来たときに、間取りが完成します。

しかし、なぜここまで多くの方が間取りで悩むのでしょう。

それは一人一人、今まで生活してきた中で生まれた価値観から、想い描く暮らし方が違うからです。

それと、家を建てる敷地条件が違うからだと思います。
敷地の広さ、形、接道状況、近隣条件、など様々です。

私の設計士の先輩が「間取りは土地に聞け」と言っていました。
敷地条件から、大まかな部屋の配置(ゾーニング)が決まります。それから、 お客様の希望と動線(人の動き)を考えて間取りを創れという事です。
何度も打ち合わせをしているのに、いまひとつしっくりこないという時は、このゾーニングを見直してみると解決することがあります。
お客様と一緒に間取りを考えて、最終決定したときは、不思議とスッキリ、シンプルにまとまっています。

楽しみながら間取りを考えて、あなたの思い描く幸せの形を、具体的な家にしてくれる人と話を進めていきましょう。

家づくりの打ち合わせで知っておいて欲しい事

◇仕様

仕様は、意匠 (見た目)設備建物性能に分けてお話し致します。

意匠(見た目)

あなたが目指す、外観や内観のイメージを実現してくれる住宅会社を選ぶのが第一歩となりますが、デザインがおしゃれとか、木の家が得意とか、様々な会社があります。
あなたの思い描く家に近い家を建ててくれそうな、住宅会社と話をしないと、打ち合わせに余分な労力がかかったり、コストアップになるかもしれません。

例えば、ローコスト住宅を主流にしている住宅会社に、木を生かした和風モダンな家を頼んでも、特別な追加工事となったり、不慣れな天然の木を使うことでトラブルを生じるかもしれません。
大手住宅メーカーは信用があり安心ですが、企画化された提案と必要以上の仕様でコストが上がるかもしれません。

あなたの想い描く家を建ててくれる住宅会社を決める大きなポイントです。
また、設計事務所の方とお話をすれば、あなたのこだわりを聞き入れコストパフォーマンスを考えながら、いろんな提案をしてくれます。

打ち合わせするときのポイントは、あなたの想い描く家を言葉だけで伝えるのではなく、あなたの思い描く生活スタイルを写真など視覚的に提示して、あなたと設計士の価値観を統一することです。
一緒に施工事例などを見て回り、あそこをこうしたいと打ち合わせをするのが良いでしょう。
同じものを見て打ち合わせをしないと、お互いの食い違いやズレが生じて、いつまでも理解し合えなかったり、トラブルの原因になります。

家は全体のバランスでまとまり、おしゃれに見えるものです。一部分だけにこだわるのではなく、プロのアドバイスをもらいながら、全体のバランスを考えて決めていきましょう。

設備

システムキッチン、ユニットバス、トイレなどは毎日使い生活に欠かせないものです。
使い勝手や機能、デザイン、価格、様々な条件から選ばなければなりません。

最先端の商品は金額が高いうえ、故障した時の対応に困る事もあります。
建築費に占める設備費の比率は高いです。コストパフォーマンスを考えて選んでください

建物性能

1.省エネ性能 ー冬あたたかく、夏すずしい家
国は、地球温暖化・脱炭素社会にむけて、住宅の省エネルギー化を進めています。
建築地域別に省エネルギー基準を定め、これに適合する住宅が当たり前となります。

省エネルギー性能は外皮(屋根・壁・床・窓)性能を計算して数値化されます。
北海道の基準に適合させる為には断熱材を多く、厚く入れ、高性能な窓サッシと硝子を使用しますのでコストが上がります。
九州では、夏の暑さ対策は必要ですが、北海道と同じような断熱仕様は必要ないでしょう。国の定めた地域別基準を満たせば快適に暮らせて光熱費を抑えられ地球温暖化対策にも貢献できる住宅となります。
費用対効果を考えて断熱仕様を決める必要があります。

高断熱住宅にしても、気密性が劣っていては隙間風が入り性能を十分に発揮出来ません。また、壁内部結露の原因となり、家の寿命を短くしてしまいます。
住宅省エネルギー技術者講習を受けた、知識のある業者に頼む必要があります。

2.耐震性能 ー地震から家を守る
国の定めた耐震等級があります。これは、耐震性能を表している基準です。

建築基準法では、建物床面積に対して必要耐力壁量が算出されます。この時、屋根の重さ・外壁の重さを加味した係数が乗じられますので、屋根は軽いほうが耐震上有効と言えます。また太陽光発電の重さも加味されます。

耐力壁量が満たされていても、耐力壁の配置バランスが悪ければ有効に作用していないので建物平面を上下・左右4分割して壁バランスの計算も同時に行います。

設計士の立場からお話しますと、いくら計算上 大丈夫だと判定されても、上下階の柱が同じ位置にきていない数が多い家は、梁への負担が大きく、地震に対して弱い家になります。

間取りを話し合う時から構造軸組の計画をしておく必要があると思っています。
希望の間取りが出来ても、耐震上弱い間取りでは何のための家づくりか分かりませんので、設計上の配慮が必要です。

◇まとめ

間取り(家の大きさ・形)と、仕様(意匠・設備・性能)の組み合わせが、見積もり金額で
建物本体価格となります。

コストパフォーマンスを考え、バランスのとれた家づくりにしてください。